はしかの恐るべき「免疫の記憶喪失」とは、世界で流行が拡大

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特徴的な赤い発疹で知られる麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスによって引き起こされ、空気、飛沫、接触を通じて感染します。ワクチン未接種の状態でさらされれば10人中9人が発症するという、現存するウイルスの中でも特に強い感染力を持っています。

免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。麻しんの症状は、感染後約10日後に発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状が現れます。その後、高熱と発疹が出現します。肺炎や中耳炎を合併しやすく、脳炎が発症することもあります。死亡率も先進国であっても1,000人に1人と言われています。

大半のケースは軽症で済むものの、最初の感染から数カ月から数年後に深刻な合併症が引き起こされる場合もあります。

世界保健機関(WHO)によれば、2023年には世界で30万人超の感染が報告され、2022年に比べて8割近く増えたとのことです。特にヨーロッパでは増加が著しく、2023年には前年比で40倍以上の4万2200人が感染したとの報告があります。新型コロナウイルスの流行期に麻疹ワクチンの接種率が下がったことが、感染が増えている主な原因だとされています。

「免疫の記憶喪失」

特に注目すべきは、はしかに感染した後の「免疫の記憶喪失」です。これは、はしかウイルスが免疫系を攻撃し、既存の免疫応答を一部破壊することによって引き起こされます。具体的には、はしかウイルスがB細胞を攻撃し、これまでに獲得した抗体の一部を失わせることがあります。

この記憶喪失により、感染後に一度は免疫を獲得した人々でも、再度はしかに感染するリスクが高まります。したがって、ワクチン接種が重要です。ワクチンは、免疫系にはしかウイルスの一部を提示し、適切な免疫応答を促す役割を果たします。

免疫の記憶喪失を理解し、適切な予防策を講じることで、はしかの感染拡大を防ぐことができます。

麻疹感染のリスクと対策

麻疹の症状は、発熱、せき、鼻水、目の充血とうるみ、鮮やかな赤い発疹です。感染した人は、発疹が出る前の最大4日間と出た後の約4日間、他の人への感染力を持ちます。大半の人が完治する一方で、麻疹は「関連する病気を引き起こす割合も、死亡率も高いのです」と専門家は警告しています。

主な課題のひとつは、麻疹は感染力が強いため、流行を防ぐには非常に高い割合の人々が予防接種を受ける必要がある点です。住民のワクチン接種率が極めて高くならない限り、流行は避けられません。

麻しんワクチン

麻しんの予防には、麻しんワクチンが最も効果的です。また、麻しん患者と接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンを接種することで発症を予防できる可能性があります。ただし、接触後5~6日以内であればγ-グロブリンの注射も効果的ですが、安易に行うべきではありません。予防接種は、定期接種の対象者だけでなく、医療・教育関係者や海外渡航を計画している成人も検討すべきです。

特に注意が必要なのは、ワクチン空白世代と呼ばれる、適切な予防接種を受けていない世代です。この世代は、以下の通りです。

  • 1972年9月30日以前に生まれた人: この世代は、はしかワクチンの定期接種がなかったため、2回の接種を受けていない可能性があります。
  • 1990年4月1日までに生まれた人: この世代は、定期接種が1回あったため、2回接種を完了していない人がいます。
  • 2000年4月1日までに生まれた人: この世代は、定期接種が2回行われているため、多くの人が予防接種を受けていますが、接種を受けていない人もいる可能性があります。

2006年度から1歳児と小学校入学前1年間の小児の2回接種制度が始まり、2008年度から2012年度の5年間に限り、中学1年生と高校3年生相当年齢の人に2回目のワクチンが定期接種として導入されています。

麻しんワクチンの副作用あるの?

麻しんワクチンは一般的に安全であり、多くの人々が副作用なしに接種しています。しかし、ごくまれに副作用が報告されています。以下に、麻しんワクチンの主な副作用とその頻度を示します:

  1. 軽度の反応(接種部位の腫れ、発赤、痛み):これは最も一般的な副作用であり、ほとんどの場合は軽度で一時的です。
  2. 発熱:接種後に発熱が起こることがありますが、通常は数日以内に治まります。
  3. 発疹:まれに、接種後に発疹が出現することがありますが、通常は軽度で自然に治ります。
  4. リンパ節の腫れ:接種後にリンパ節が腫れることがありますが、通常は自然に治ります。

これらの副作用は一般的に軽度であり、重篤な副作用は非常にまれです。ただし、以下の症状が現れた場合は、医師に相談することをお勧めします:

  • アナフィラキシー反応:非常にまれですが、アナフィラキシー反応(呼吸困難、じんましん、蕁麻疹など)が起こることがあります。接種後すぐに症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
  • 高熱や持続的な不調:接種後に高熱や持続的な不調が続く場合は、医師に相談してください。

麻しんワクチンは感染を予防するために非常に重要です。副作用のリスクは非常に低いとされていますが、個々の状況に応じて医師と相談してくださいね。

麻しんにかかったら、いつまで学校・職場を休む必要があるの?

A 学校保健安全法では麻しんは第二種学校感染症として位置づけられており、解熱後3日を経過するまでは出席停止になります。周囲に感染させる期間は、症状が出現する1日前(発しん出現の3~5日前)から発しん消失後4日くらいまで(または解熱後3日)と言われていますので、かかった場合には速やかに学校、職場に連絡し、周囲に感染を広げないためにも感染させる期間はきちんと休むことが重要です。

市販の薬は飲んでいいの?

麻しんに感染した場合、特効薬はありませんが、対症療法として解熱薬(アセトアミノフェンなど)を使うことで症状を和らげることができます。また、肺炎などで細菌感染も同時に起こった場合には抗菌薬を使います。

市販の薬については、用法用量を守ってお飲みいただくことは可能です。ただし、他の薬との併用や副作用等については、お薬を出されている医療機関や市販薬の購入前に薬局の薬剤師へご相談ください。

具体的な対応は医師の指示に従ってください。また、麻しんの発生状況は、国立感染症研究所感染症疫学センターのウェブサイトで確認することができます。ご自身の健康には十分注意してください。

麻しんQ&A I 麻しんの基礎知識 | 東京都感染症情報センター (tokyo.lg.jp)
麻しんについて|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

まとめ

現在、麻しんが増えている状況が深刻化しています。マスクや手洗いだけでは防ぎきれず、重症化すると命に関わることもあります。さらに、問い合わせが急増し、ワクチンの供給が追いつかない可能性も出てきています。

日本は観光地として海外からの旅行客が増え、人々の行き来が活発になっています。そのため、いつ自分の周りで麻しんが流行するかわからない状況になっています。

このような状況に対して、まずは自分自身と家族の予防接種を確認しましょう。特に、子供や高齢者は重症化しやすいため、優先的に予防接種を受けることが大切です。

冷静に、そして確実に対策を講じていきましょう。これが私たち一人一人ができる、麻しんの流行拡大防止への第一歩です。

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